カーボンシャフトの交換をDIYで簡単に出来ました。でも温度管理が重要です。

2021年4月7日

今回は、悩みの種のドライバーをリシャフトしてみようと思います。

ドライバーは、プロギヤのナブラRS01で

現在使っているシャフトは、M46のSX 120g を使っています。

歳と共に段々とオーバースペック気味になってきたので

50グラム台の Sシャフトに変更しようと思います。

シャフトは、ジオテック プロトタイプ RFエボ W5のスリーブ無し品です。

ヤフオク、1,500円(送料別)で落札したものです。

 

[ads][/ads]

 

同時にスリーブも買っとけば良かったのですが、だいぶ前に使っていた

JビームのXシャフトに付いているスリーブを抜いて使おうと思います。

 

今回のリシャフトは、旧のシャフトスリーブを抜いて、新しいシャフトに

差し替えと言う形で行います。

 

人気ドライバーならスリーブ付きでシャフト単体の出品がされている

確率が高いですが、型が古く 人気のないドライバーは

スリーブ付きで良いシャフトに出会える確率も殆ど無い上に

買い手も限られてきますので、、、

 

良い機会なので、スリーブ抜いてオークション行きです。

爺にはもうXシャフトは要らないでしょう、、、、

 

[ads][/ads]

 

カーボンシャフトのリシャフト注意点

基本的にカーボンシャフトのリシャフトもアイアンと同じです。

しかし、絶対条件として必要なのが。

 シャフト抜き工具は必須です。(シャフトを抜いて入れ替える場合)

カーボンシャフトは熱に弱いです。ガスバーナーでヘッドを加熱して、手で引き抜く方もいますが論外です。

カーボンシャフトは基本的に工具の引き抜く力を利用しながら、ヒートガンで接着剤のガラス転移点付近まで

加熱して抜かないとシャフトの品質が変化します。

 

DIY工具から変化して完成したMJリシャフト工具

 

リシャフトをDIYで!MJ リシャフト用工具の使い方と注意点

 

 購入シャフトTIP側先端の確認(シャフトを中古で購入した場合)

中古品のシャフトを購入した場合、特に注意すべきです。

ヘッドを抜いた時の温度管理が不明なので

先端部の焼け具合やカーボンの崩れ・割れ具合をしっかり確認してください。

過度な加熱で抜かれたシャフトは、使用中折れます。

自身のクラブを自身で抜いて新しいシャフトに入れ替えるのが安全ですね。

 

 シャフト径が8.5㎜とアイアンより小さいのと、ライ角やロフト調整機能が付いているクラブが多くなってきたので

各メーカーのスリーブ毎にソケットが違う上に、ソケットにインロー(段)が付いている物が多く

ソケットが外れにくくなっているため、

ソケット自体をカット(破壊)しなければならない事が多いので

新しいソケットを準備しておいた方が良いです。

 

 

後はアイアンのリシャフトと同じです。

カーボンシャフトのスリーブ抜き作業(ヘッドも同様)

カーボンシャフトは前述のとおり熱に弱いので工具が必要です。

抜き取り工具とヒートガンは必須です。

 

 

ソケットをずらします。(今回は再利用します)

 

工具にセットします。

 

MJリシャフト工具でカーボンシャフトを抜く作業を追記しました

 

ゴルフクラブのシャフトとヘッドを繋ぐ接着部の強度は?

接着剤の引張せん断強さが、MAX26Mpa(メタルロックデータによる)です。

セメダインさんのHP メタルロック・高耐熱タイプ

これをkgfに変換すると、265.13Kgf/cm2となり、接着面積が約(0.85cmx3.14x3cm)ですので

面積にせん断強さを入れると、接着部のせん断力が約2123kgfという値になります。

これは、クラブシャフトにヴェルファイアを接着して、持ち上げても 持ち上がる計算になります。

(ヴェルファイアの車重は約2tです)

この接着力の接着剤を力技で破壊するには

あくまでも計算値ではありますが

シャフトを固定する力を2200Kgf以上かけて、ヘッドを引き抜くという事になります。

単純にシャフトが潰れる可能性も有る事が伺えます。

なので、カーボンシャフトリシャフト時は クラブシャフトを工具で出来るだけしっかりと掴み

クラブヘッドとシャフトの接着部の接着剤をガラス転移点付近まで加熱して軟化させ

工具の剛性で接着剤をせん断させるようなイメージで抜きます。

 

作業の流れ

1 シャフトをクランプさせテンションをかけます。

2 シャフトが少し撓みますので、少し撓んだところで ヒートガンで加熱させます。

3 加熱しながら、ボルトにテンションをかけます。(接着剤の臭いがしてきます)

4 ヘッド(スリーブ)が抜け始めたらヒートガンの過熱を止めて抜きボルトを回します。

接着剤の耐熱温度(ガラス転移点)は、90℃程度です。

温度測定はしていませんが、工具を使うことで比較的低温で抜くことが可能です。

 

今回、温度を測ってみました。スリーブ温度81℃まで上昇しました。

(慣れとコツが必要です。m(__)m)

 

ポイントは

* シャフトを潰さない程度にしっかりとグリップさせることが必要になります。

{この時、シャフトとクランプ樹脂部に油などが介入しているとシャフトが滑りますので、

シャフトをクランプさせる際 油分が無いようにシャフトとクランプ樹脂部を洗浄してください。

 

* ヒートガンの加熱はあくまでも補助的な加熱(90℃を超えないように)

 

カーボンシャフトについて(参考程度に)

 

カーボンシャフトの取り扱いで懸念される 高温の加熱ですが、

ゴルフ用カーボンシャフトにはエポキシ樹脂という熱硬化性のプラスチックが使われているそうです。

(日本シャフトHPより)

 

このエポキシ樹脂という熱硬化型樹脂の耐熱温度は、一般的な情報では有りますが 

エポキシ樹脂の常用できる耐熱温度は150~200℃、比重は1.1から1.4の熱硬化性プラスチックという事。

(メーカが使っているものは不明なのであくまでも一般論です)

 

ヘッドを接着している2液性のエポキシ接着剤が軟化する温度ガラス転移点はY610で90℃程度です。

したがって、カーボンシャフトをリシャフトするには

90℃付近までの加熱と出来るだけ低い温度での作業が必須条件となるのではないかと思います。

 

温度管理を確実に行えば問題なくシャフトを抜くことが可能と言えます。

しかし、10℃の温度管理など出来るものではないので カーボンシャフトは工具の剛性も合わせて

抜き取る感じになります。

 

但し、低温で抜いたシャフトでも、何度も抜き差しした物は シャフトの強度が当然弱くなるという事を

承知しておいてください。

 

* また、各シャフトメーカーさんのHPにシャフトのリユース 取り扱いについての

注意事項が書かれていますので、十分理解したうえで取り扱ってください。

↓ 以下に、USTMAMIYA・三菱ケミカルゴルフシャフトの取り扱いページリンクを貼っておきます。 ↓

UST mamiyaシャフトの取り扱いについて

三菱ケミカル/ゴルフシャフト取り扱い

 

DIYでリシャフトを行う事は自己責任でお願いします。

* 投稿内容の利用について、

利用者および第三者に損害が発生したとしても、当方は一切責任を負わないものとします。

ガラス転移点とは?

 

樹脂はある温度以上に加熱すると、分子が運動しやすい状態になり、軟質のゴム状態になります。

しかし冷えていくと分子の運動が制限されて、硬質のガラス状態になります。

ガラス状態とは固い状態のことを指しています。

このガラス状態になる温度のことをガラス転移点と言います。

 

また、熱可塑性樹脂のように高分子で構成されているものは熱を加えることによって

柔らかくなるという性質があります。

この、ゴム状と固い状態の境目がガラス転移点となります。

ある程度暖めるとスリーブがズルっと動きますので、すかさずラチェットを動かし

抜き取ります。温めから抜くまで3分程度です。

 

以前失敗したスリーブ抜き、加熱しすぎました。

以前タイトリストの910を使っていた時のシャフトが、調子よくスリーブを変更しようと思い

抜き取ったのですが、ヒートガンで加熱しすぎて スリーブの表面にブツブツの模様が

出来た時の物です。

 

* ヒートガンの加熱ありきで行い、スリーブ過熱を先行させ 接着剤の軟化が分からない状態で

加熱し続け、スリーブ変色後工具のボルトを回して抜いた結果です。

するっと簡単に抜けましたが、シャフトには過酷でした。(-_-;)

 

ヒートガンでも加熱しすぎるとスリーブのアルマイト処理が壊れ、模様が付きますので

こうならないように温めましょう。

アルマイト処理の耐熱温度は100℃程度です。

エポキシ接着剤の軟化温度は90℃ぐらいですので、温度管理が大切です。

因みに、この時抜いたシャフトは、野球部上りHS52 の長男が使っています。

加熱しすぎで 折れるのではと心配しましたが問題ないみたいです。

私的な、加熱具合良否の判断基準にしてます。

[ads][/ads]

 

 

抜き取ったスリーブの内部に付着した接着剤を綺麗に落とし、洗浄します。

ここが一番時間がかかります。

1個洗浄するのに小一時間かかりました。 (;_;)

 

新しいスリーブ買っておけばよかった、、、、接着だけで終わるのに、、、、。

 

スリーブが結構重くて、8.2g シャフトが104gなので

シャフトは112gの予定です。ちなみにXシャフトはスリーブ込みで122gでした。

スリーブの取り付け

 

新しいシャフトに、スリーブ  ソケットを打ち込みます。

スリーブ ソケットは前のシャフトから外して、ヒートガンで少しづつ温めながら

形状と寸法を直しました。過度な加熱をしなければ何とか なります。

 

エポキシ接着剤を塗布して、スリーブを挿入します。

 

 

スリーブ ソケットをアセトンで磨いて出来上がりです。(^^)/

出来上がったものをバランス測定しました。

 

バランスの測定方法は以前行ったアイアンのバランス測定方法と同じです。

ドライバーの総重量が311.3g グリップから釣り合いの取れている位置が879㎜

バランスは、なんと D8 です。

良いのか悪いのか?振ってみないとわからないですね、、、、。

 

4月19日追記練習場で振りやすい状態にドライバーの錘を調整し、バランスを測定しました。

グリップからの距離が873㎜

クラブ重量 305.4g

バランス D3.4

 

何故か偶然にもアイアンと同じになりました。

結局、バランスは合わせるのが正解なのかな?

アイアンのように振れるドライバーを目指していたのでしばらくこのまま使ってみます。

[ads][/ads]

 

まとめ

最近のドライバーは、シャフトをネジで接続するタイプが主流です

シャフトとスリーブを購入して、接着するだけなら 作業時間10分程度で

リシャフト完成です。

 

シャフトからスリーブを抜く作業自体あまりやらなくてもよい事なのかも?

 

中古でシャフト購入した場合、いらないスリーブが付いている時も有りますので

そんな時は、この記事を参考になさってください。

但し、自己責任でお願いします。

当HPのプライバシーポリシー免責事項に記載されている通り

投稿内容の利用について、利用者および第三者に損害が発生したとしても、当方は

一切責任を負わないものとします。

 

最後まで読んでくださいまして ありがとうございます。 m(__)m

 

2021年5月31日追記 シャフト抜き工具 第2弾が完成しました。

この記事に使用したシャフト抜き工具の改良版を製作販売してます。興味ある方は是非ご覧ください。