鉄を削るには砥石を選ぶ必要が有ります。砥石と研削対象品の解説

2021年4月22日

皆さんは卓上グラインダーを購入してそのまま標準に取り付けられている砥石で 色々な物を削っていると思いますが   実は、砥石には様々な種類が有り 削る対象物や 削った後の仕上げ具合で 砥石を変えなくてはならない事をご存じでしょうか?   今回は、卓上両頭グラインダーの砥石と研削物について記事にしたいと思います。   [ads][/ads]  

そもそも砥石とは?

いかなる砥石も3つの要素で作られております。 その要素は「砥粒」「ボンド・結合剤」「気泡・気孔」の3つから出来ています。   砥石の製法は、粉状になっている砥粒と結合剤を焼き固めて作り ギュウギュウに固めるのではなく、適度に隙間(気孔)を作り その隙間の具合で、目詰まり等をコントロールします。  
要素の役割それぞれ次のような役割を持っています。 * 砥粒=砥石の切れ刃 * ボンド(結合剤)=砥石の切れ刃の支持、固着 * 気孔=切りくずの逃げ
砥石は、この3要素で構成され 製品の仕様は 砥粒・粒度・結合度・組織・結合剤の5因子の組み合わせで作られます。
5因子の内容

* 砥粒  =物を削る粒の種類

* 粒度  =砥粒の大きさ * 結合度 =砥粒を結合する強さ * 組織  =砥粒が含まれている割合 * 結合剤 =ボンドの種類
  砥石の種類・表示は、5因子の種類と砥石形状を組み合わせて表示されます。  

砥石の選定方法

砥石の選定方法グラインダーの性能(回転数)と取り付け寸法(軸径・砥石外径・砥石厚さ)で砥石の大きさや 取り付けの可否が決まり、 研削対象物の材質と硬さ(焼き入れ品・生材)で砥石の種類を選定します。
* グラインダーの取り付けで注意しなければならないのが 主に 砥石外径・軸径・砥石巾・最大回転数のグラインダー仕様が注意項目です。   * 研削対象物で注意しなければならないのが 検索対象の材質・硬さと 砥石の種類のマッチングを注意しなければなりません。
砥石の種類と選定条件

引用 :レジボンhttps://www.resibon.co.jp/

グラインダー研削での問題点と対応

 
加工物と砥石がマッチしないなど条件が悪いと以下の問題が発生します。
項目内容
*目つぶれ:磨耗したと粒が、砥石表面に並び、加工物が削れなくなる状態。
発生原因研削条件に対して結合度が硬すぎたり、砥粒の硬さが低すぎたり、また砥石使用周速度が速すぎるといったような場合に発生します。
対策・ドレッサー等で砥石表面を削り落とします。・砥石の砥粒が硬いものに変更します。
*目詰まり:切屑が気孔中に詰まって、加工物が削れなくなる状態。
発生原因砥石の気孔が小さすぎたり、量が少なすぎると切り屑や切り粉をうまく排出できなくなります
対策・ドレッサー等で砥石表面を削り落とします。・砥石結合度の柔らかいものに変更します。
*目こぼれ:と粒(原粒のまま)の脱落が早すぎて、加工物が削れなくなる状態。
発生原因設定された研削条件に対し、使用する砥石の結合度が軟らかいときに起きる現象です。
対策砥石結合度の硬いものに変更します。
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卓上グラインダーの砥石選定

簡単に砥石の仕組みと研削における問題点を紹介しましたが 本格的に研削材料毎で砥石を選定するとなると専門知識と経験が必要です。   でも、一般家庭の卓上グラインダーで研削するとなると 研削精度や形状等はおおむね荒か中仕上げ程度ではないかと思われますので 砥石の選定は限られてきます 以下に現在販売されている砥石と研削対象物をピックアップしてみました。  
 NANIWA卓上グラインダー用 研削砥石 150×16×15.88 GC120 NP-2301
用途超硬合金・アルミ・陶磁器・非鉄金属・石材など
サイズ150mm 厚み:16mm 穴径:15.88mm
砥材GC / 粒度結合度:120H / 結合剤:V(ビトリファイド)
 最高使用周速度2000m/min(33m/s)
 

NANIWA 卓上グラインダー用 研削砥石 150×16×15.88 WA60 NP-2201

用途焼入鋼・ステンレス・合金鋼・特殊鋼等
サイズ外径150mm 厚み:16mm 穴径:15.88mm
砥材WA / 粒度結合度:60K / 結合剤:V(ビトリファイド)
 最高使用周速度2000m/min(33m/s)
 

マキタ(Makita) 研削砥石 A-61391

用途鋳鉄、ダイス鋼、超鋼材、アルミ・銅・鉛等の非鉄金属
サイズ外径150mm 厚み:16mm 穴径:12.7mm
砥材GC、粒度:120、結合度:H
 最高使用周速度
 

マキタ(Makita) 両頭グラインダ A-61385

用途一般鋼材、スチール焼入材、鋳物焼入材
サイズ外径150mm 厚み:16mm 穴径:12.7mm
砥材WA、粒度:60、結合度:K
 最高使用周速度
 

番外編

卓上グラインダーで研磨も可能です。 以下のバフと研磨剤でメッキ製品をピカピカにできます。  

Speed MAO 150mm コットン 布 バフ ホイール (黄 ・ 白)& クロス セット 仕上げ 両頭 グラインダー にも (黄&白 各1)

用途金属研磨用
サイズ150mm 厚み:16mm 穴径:15.88mm
厚み(約)黄色15mm 白色12mm 積層:50ply(50枚の布を重ねています。)
軸径(約)10mm ステッチ直径(約):20mm (一般的な12.7mm軸対応、最大18mm程度)
 

有明鍍研材工業 青棒 赤棒 白棒 3個セット 固形 バフ用研磨剤 鏡面仕上げ用

品名用途
赤棒(トリポリ)番手#200相当 下磨き用
白棒(ライム)番手#2000相当 中仕上げ用
青棒番手#6000相当 最終仕上げ用
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まとめ

一般家庭で卓上グラインダーを使う場面を想定すると 木材からアルミなどの非鉄金属に普通金属の生材・焼き入れ材と 使用する材料の範囲が広範囲な場面が想定されます。 家庭で使う卓上グラインダーの砥石の選定は、オールラウンダーな砥石を チョイスするのが無難と言えるのではないかと思います。  
家のグラインダー砥石因みに私のグラインダーには炭化珪素質のGC砥材 粒度120 硬度Hを使った青色の砥石超硬合金、セラミックス、銅、アルミニウム、非金属などの研削に。   高硬度で破砕性が良いWA砥粒 粒度#60 硬度Kを使った赤色の砥石一般軽研削・精密研削・工具研削など研削焼けをきらう作業用の物(ドリルなどを研削するのに良いです)の2種類を取り付けていますが、問題なく使えています。
  後まで読んでくださいまして ありがとうございます。
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では(^^)/