中華2馬力船外機のメンテとトラブル対策 DIY

ゴムボで釣行も良いねと、友人と話していたら

丁度 いらないゴムボと不動の船外機が有るから使う?

という事になり

アキレスのゴムボートと不動の中華製の2馬力船外機をもらいました

今回は、そのメンテを行ってみようと思います。

 

中華製2馬力エンジン

友人が6年前に購入のハイフォン?、、、というエンジンです

現物の見た目は綺麗ですが、数回使用後、放置していたため

混合油を入れても始動せず、、、、

友人いわく、キャブレターの交換が必要かも?

 

 

早速アマゾンで草刈り機用のキャブレターを購入し入れ替えを試みましたが

キャブの吸気部内径が、ハイフォンはφ15、購入キャブはφ10と小さく

下半分の入れ替えだけになりました。

画像だけ見るとそっくりです。

燃料供給部分や内部の構造は全く同じでした。

とりあえず、キャブレターをばらすと白いゴミが沢山付着していたので

パッキンから全て新品と入れ替えです。

 

 

海に出るとなると 中華のエンジンで 大丈夫なのだろうか?

突然止まって、、遭難なんて ありえないので

このエンジンの評判を ググったり、YouTubeで検索したり、、、

ん~  あまり評判良くないみたいです。

私の友人は、あたりのエンジンで停止したことないとは 言ってはいましたが、、、

やはり心配なので、やるべきことは全てやってから使うか判断します、、、

 

 

エンジンの問題点

情報量が少ない中

やはり、安かろう悪かろうなのか 使う側の使い方が悪いのか はっきりしませんが

よく確認した方が良いと言う情報がチラホラ出てきました。

 

問題点1 スクリューを回すドライブシャフトが上に3~4mm程度逃げて

     ベベルギアの刃欠けが発生する個体も有るらしいです。

     *これは、かなり重要な部分で放置はできない問題点です!

     今回貰った個体も調査改善しないと出航不可ですね。

問題点2 振動でネジが脱落するらしいです。

     *組立時にロックタイトと増し締めですね。

問題点3 燃料タンクの燃料ホース取り出し口の気密が悪いらしい。

     燃料漏れが発生したとの事例が有りました。

     燃料供給周りも調査確認、改善の可否を検討が必要です。 

調べたところ、この3点が情報として出てきました。

安全第一なので、すべてバラシてチェックし組立時に改善を行いたいと思います。

 

対策1 ギヤの逃げは、ドライブシャフトのベベルギヤ側に2㎜のシムを入れる。

確かに 逃げが3㎜ 程度有りましたので、シム製作です。

2mmのシムを作り入れました。ドライブシャフトの逃げは、0.5~1mmの間ぐらいに改善。

対策2 キャブレターを購入した時にタンクのゴムが付属していたので交換

 対策3

全体的に、オイルシールが硬くベアリングがゴロゴロしていたので

遠心クラッチのベアリングとシール・ペラシャフトのシール・インペラのシール交換です。

インペラシールは、2枚あるのですが1枚が内外逆に取り付けられていました、、、、

シールの向きが逆に取り付けられている事は、中華エンジンあるあるだそうです。

 

遠心クラッチ付近のベアリングとシール

っとここまでは良かったのですが、、、、

やらかしました~

リコイルスタータを外してクランクケースのベアリングを確認しようと

ベアリングプラーでリコイルを外そうとしたところ、

スターターのテーパーが食い込んでいて、皿からもげました~

画像はM3のボルトが入っていますが、もげた段階ではボルトはありません。

もう外せません、、、(´;ω;`)ウッ…

仕方なく、再生のための補修作業追加です。半円にえぐれているのは

M3のボルト頭が入る部分です。

プロペラみたいなワッシャーを作って、M3のステンネジでワッシャーを固定し

リコイルを締め付けるナットで全体を締め付けるようにしました。

前より強度が上がった?かも?、、、

 

 

気を取り直して、反対側のフライホイール側の確認しましょう。

フライホイールのボルトは外れたのですが、遠心クラッチのボルトが外れません!

またまたやらかしました~

もうドタバタです、、、羽が2枚欠けました (´;ω;`)ウッ…

このままでは振動が発生しますので、バランスを取り直します。

平面研磨機の砥石バランスをとるやり方で、バランスをとっています。

もちろん軸は、旋盤で製作しました、、、

ここまでくると何をしているのか判らなくなります、、、

エンジン内部が良く理解できました。(笑)

 

クランクのベアリングは問題無さそうなので組み立てて始動したところ

大丈夫そうです。

まあまあ吹け上りも良く、冷却水も勢いよく出て出航できそうな感じです。

 

 

6年前に友人はこのエンジンで2~3回程度出航したそうです。

問題は無かったらしいですが、、、

 

 

今回初出航の時に問題発生です!

出航後しばらくしてエンストが発生しました。

時間を置くとエンジンがかかりますが、直ぐエンストです。

釣りは断念!帰港します。

 

工場で調べると、ガソリンホースの戻りが潰れています、、、

ガソリンのイン側は、配管の折れ等無いように補強したのですが戻り側が

カバーの内側リブとエンジン本体の間に入り込み潰れる形になっていました。

カバー取り付け時に確認不足でした、、、(-_-;)

戻りも補強して

カバーのリブを全面除去して再出港です。

  

前回の釣行から気になっていた事が今回も、、、

また途中でエンスト、、、ガソリンホースは問題なし!、、

しかも、エンスト前には ケンケンケンと甲高いエンジン音になりエンスト!

もしや、オーバーヒート?冷却水が回っていないのか?

と思いながらしばらく放置すると、エンジンがかかります。

またもや引き返して工場でチェック

  ????

キャブレターのインマニのエンジン側が溶けています。

ほぼ全開の走行でオーバーヒート気味だったのか?もともと耐久性に問題が有るのか不明ですが

キャブレターの締め付けが緩んでいた事と、ガソリンが滲んでいましたので

今回のエンストはインマニが原因であったことが伺えます。

ならば、インマニをアルミで作ります。

なかなか素敵なエンジンに仕上がりました。(^^♪

今度こそ!と思い

釣行に出かけました。

さすがにここまでやると

中華エンジンに愛着が湧きます、、、

サイドに冷却用空気取り入れ口をペットボトルを切って追加してます、、、

戦闘機のエンジンのようです(笑)

 

 しかも、、、、ドーリーも追加してる~、、、

 

全開走行も良く、良い仕上がりです。止めても一発始動です  (^^♪

しかも そこそこのスピードです! 

2馬力エンジンですが楽しく走らせることが出来ました。

釣り自体は、時合が悪いのかさっぱりでしたが

ようやく目的は達成です!

  

が!しかし、、、、、、、、!

調子よく使っていましたが、帰港途中で またもやケンケンと甲高いエンジン音!

 

オーバーヒート気味になりエンジン停止!

 

エンジンのカバーフィンがグニャグニャに溶け、白煙が出て ピ~~~ンチ

出航地 近くだったのでオールを使い帰港しましたが

オーバーヒートであることが伺えます。

さて、今度はどこが原因か???

 

色々と考えましたが  

結局のところ、最初からオーバーヒートの原因を抱えたまま

他の部分を改善し、根本が改善できていなかったのが原因だったのかもしれません。

考察1 冷却ヘッドの形状?

貰った時の画像

結局このエンジンの冷却方法は、アイドリング時は空冷のみ、 走行時は空冷・水冷という方法です。

遠心クラッチ

しかも水冷はエンジンヘッド部分のみでシリンダー部分は空冷の状態です

シリンダーヘッドがいちばん発熱しますので

冷却としては まあ悪くない気がしますが、、、、

 

 

自宅でエンジンテストを行うと冷却水は勢いよく出ているこを確認しています

しかし

冷却水がヘッドの水路全てに充満しているのか?判らない状態です。

この水冷ヘッドは、組立時圧入したのか分かりませんが

バラせないのです! (水路の中が見れない)

  

冷却水の入り口から180度 反対側に冷却の水出口があります

仮にドーナツ状に冷却水が充満・循環していれば冷却効果は有るのでしょうが、

 

ヘッド内の水路の上下どちらか半分が塩で埋まっていた場合

冷却効果は1/2 それでも冷却水は出口から普通に排水されますで

冷却水の排水状態の確認だけで冷却が100%良いと判断が出来ないので

塩詰まりによる オーバーヒートの可能性が有るのかもしれません!

 

考察2 エンジンの取り扱い?

出航時や釣行時は何も問題なく走行を行っていたので、スパークコイルでは無い事が伺えます。

今回、帰港時のオーバーヒートでした。

  

約半日の釣行でしたが

釣行中は、オーバーヒート・焼付き対策として

走行後しばらくアイドリング運転を行っていました。

理由としては、

発熱したエンジンを急に止めると冷却が出来なくなり焼き付きが発生しますので

焼き付きを 防ぐことを考えしばらくアイドリングさせてからエンジンストップを繰り返していました。

なので、このエンジンの場合アイドリング中は空冷だけになり

水冷の冷却水の循環がストップします

エンジンの熱で水路内に塩が析出し、塩詰まりが徐々に多くなり

水冷の循環がうまく出来なくなった?

可能性も有ります。

  

考察3 使用環境?

エンジン設計がもともと全開走行等を行う等の設計ではない?

インマニの材質変更したように熱源にプラスチックが接続されているなど

使用時間制限が有るのかも?(連続使用10分以内とか?)

   

  

ヘッドの周りに塩が付いています。

結局、このエンジンの冷却システムこそがオーバーヒートの根本原因のような感じです。

要は、このエンジンは全開走行が出来ないエンジンなのかな?

ならば6割程度のアクセル開度?

冷却水が流れる部分が確認できない・改善出来ないのは

私は不安でしか無いのでボツ決定です!

 

 

まとめ

船外機を使って釣りに出る際には、船外機の整備点検は十分に行う事が必須。

少しでも不安が有ったら中止する事が最も重要です。

 

船外機でのボート釣り諸先輩方は、恐らく国産エンジンにしときなさいと言われるでしょう

まさしくその通りで、海に出て故障したら帰れなくなります

様々なノウハウを形にした国産の有名メーカー製が

間違いなく安心して使えるエンジンと言えます。

  

今回、大陸製のエンジンをもらって

海上でのエンジン停止の怖さを少し体験したからこそ言える事は

とにかく国産だろうが、大陸製だろうが 

命をあずける船外機の整備・点検・メンテは手を抜かない!

触る場所・工具・機械を確保する事!

機械いじりの時間を惜しまない!妥協しない!

  

  

やっぱりお勧めは

簡単な点検はやるけど基本的に、整備・メンテを自身では出来ない(やらない)けど

定期的にメーカーに点検に出す!それが出来る人は

費用・時間・ショップの有無等 負担や制限が有ると思いますが命をあずける機械ですので

間違いのない取り扱い方法です。

  

船外機を扱わない方がよい人は

ズボラな方や機械オンチ・定期的にメーカー点検に出すのがめんどうな人

扱わない方が良い機械です!

扱っても、沖には出ない!

 

 

最後まで読んで下さいましてありがとうございます。(^^♪

 

船外機,釣りDIY

Posted by ますのさ