ゴルフクラブのスリーブ抜き、まとめ。基本方法から変則技。 DIY
ドライバーからフェアウェイウッド・ユーティリティまでライ角やロフト角が変更できるカチャカチャ付きの
クラブが主流です。
その様なクラブには各メーカー独自の形状や可変方法で開発されたスリーブというアルミパーツが
シャフト先端に取り付けられています。
我々ユーザーとしては各メーカ共通部品であればシャフト交換もスムーズでよいのですが
メーカー独自の形状・寸法なので良さげな中古シャフトを買ってもスリーブがヘッドに合わないと
簡単にリシャフトできないのが現状です。
スリーブ無しで販売されている新・中古シャフトに新しいスリーブ購入して取り付けるのであれば
何も問題ないですが中古シャフトにはスリーブ付きのシャフトも多く販売されていますので
取り外す必要があったりします。
私も以前より何本もスリーブを抜いてリシャフトしてきたのですが
今回はシャフトスリーブの取り外しの方法と注意点をまとめてみたいと思います。
スリーブ交換に必要な道具
1 リシャフト工具
当工場で製造販売しておりますリシャフト工具を使用しております。
この工具の使い方等の記事はここ ↓
リシャフトをDIYで!MJ リシャフト用工具の使い方と注意点
この工具でリシャフトを行った記事はこちら ↓
アイアンのリシャフト、モーダス120Sから105Rに変えてみた。
2 ヒートガン
温度設定が容易なヒートガンです。但し、設定温度が実際の加熱温度とは違うみたいです。(使用後の考察)
3 接着剤
ゴルフクラブの組み立てには定番のメタルロックY610 ですね。
DIYユーザーには小分けセットが便利です。
値段もピンキリで、オークションなどではかなりお得に販売しています。
元々は ↓ このような容器です。量が多いので保管に注意が必要です。
4 新しいスリーブ
種類が沢山!
5 サンドペーパー
シャフトの接着部分を荒らすのに必要です。
スリーブを抜いて再利用する場合に必要な道具
1 各メーカ毎スリーブ用ソケット(フェルール)
スリーブ用ソケットは段付きソケットが主流で、物によってソケット単品販売していない物も有るので
スリーブ抜きの際カッターなどで切断除去しない方が良い物も有るので注意が必要!
入手可能か先に検索が必要です。
2 スリーブ内清掃ブラシ
スリーブ抜き取り方法 1 (基本方法)
スリーブのソケット(フェルール)を切断除去後、リシャフト工具の爪をスリーブ根元に引っかけて抜き取る。
この方法は、基本的にアイアンやドライバーヘッドをシャフトから抜き取る方法と同じです。
この方法で実際に抜いた過去記事がこちらです ↓
スリーブ抜き取り方法 2 (変則技)
ヘッド固定ボルトでスリーブに抜き爪を接続して抜き取る方法。
変則技としたのは、あまり紹介されていない方法です。
ヘッド固定ボルトは、ゴムのワッシャーでヘッドから落ちないように止まっているだけなので
ネジ部分を押し出せばすぐに外せます。
タイトリスト910ヘッドのシャフト取り付け穴を除いた画像 ↓
910ヘッドより取り出した取り付けボルト。↓ 黒いワッシャーがゴム製のワッシャー。
この抜き取り方法の注意としては、
工具によってはスリーブのM4ネジを破損させる恐れも有りますので注意が必要です。
本工具で引っ張りテストを行った結果
プロギアスリーブ付きのシャフトを工具のシャフトクランプ締め代が無くなるまで締め込み
スリーブの加熱無しで抜き取り操作を行いましたが幸か不幸かM4ネジの破損が無かったです。
シャフトの滑りが発生しました、、、(T_T)。
工具開発者とすればM4程度のネジぐらい引きちぎれるクランプ力が欲しかった、、、、、ブツブツ(-_-;)
これは工具のクランプ強度の確認をテスト的に行ったもので真似しないで下さい。
スリーブ抜き取り操作は接着部温度が90℃以上100℃以下に加熱し達した後に行うことが必須です。
この方法で実際に抜いた過去記事がこちらです ↓
抜いたスリーブの処理方法(組み立て・接着等)
基本的には他のクラブと同様の方法で接着します。
カーボンシャフトとスリーブ内部の接着部の脱脂・清掃後、接着剤で固定します。
注意点は、スリーブを抜いた後の塗装剥離長さが挿入スリーブの長さと合っているかを確認します。
特にピンスリーブは他の物より短いため剥離部分をカバーできません
このような場合はシャフトと同じ色で塗装するか、チップカットが必要です。
また、仮組を行いシャフトにスリーブを取り付けた状態で、クラブ長さを確認します。
組み立て、接着はアイアン等の組み立て接着と同じです。
注意点は接着剤の硬化時が間必要ですので接着後は動かさないように24hは保持して下さい。
アイアンの組み立て方法、過去記事がこちらです ↓
スリーブ抜きの注意点
1 温度管理
*スリーブ本体がアルミ製でアルマイト処理を行っているため
通常のアルマイトの耐熱温度が100℃程度です。
全てのスリーブに当てはまるわけでは無いのですが
当方が実際に失敗した実績では、タイトリスト910スリーブ・プロギアナブラRSスリーブが
アルマイト処理であったため高温にさらされるとまだら模様に変色しました。
*スリーブを装着したシャフトはカーボンシャフトが多いので
カーボンシャフトも加熱温度に注意が必要です。
但し、スリーブを100℃以下で加熱し抜き取るのであれば
カーボンシャフトの耐熱温度を気にしなくても良いでしょう。
*温度管理の重要な項目で高温側は前述の通りですが低温側も重要で
接着剤のガラス転移点温度が90℃~なのでヒートガンによる加熱は
90℃以上100℃以下の範囲で加熱し接着部全体が加熱温度に達するように
加熱し続けることが重要です。
2 加熱時間
* 加熱時間はスリーブがアルミ金属のため熱伝導に時間がある程度必要です。
アルミはステンレスや鉄と違い熱伝導が比較的早いと言われていますが
スリーブの肉厚を考慮し、熱が中まで到達しても接着剤に影響を及ぼすには
ある程度の加熱・保持時間が必要です。
慌てずじっくり加熱し保持することが重要です。
当方の実績として、ピンスリーブを抜くために加熱した時間は20分でした。
加熱後、工具で抜き取りましたが 工具にセットした後追い加熱などは行いませんでした。
* 加熱の温度と保持時間が重要であるため、加熱用ヒートガンの温度調整が要となります。
当方のヒートガンは数々の失敗から温度設定ができるものに変更しましたが、
作業時の実際温度は温度計を実作業と同じ方法・距離で加熱し続け
温度計の実測が90℃以上100℃以下になるようにヒートガン側の
温度設定を行い実際の作業を行いました。
その記事が ↓
ヒートガンでの作業が難しいと感じたのであれば他の方法で!
変則技(加熱方法)
シャフトのスリーブ部分を(90℃以上100℃以下)の熱湯に20~30分程度煮沸保持させるのもありです。
大気圧中の水の沸騰温度は約100℃です。
100℃以上に上がらないので数本まとめてスリーブ部分を90℃程度に煮沸し
ある程度保持させれば、ヒートガン加熱と同じなのでスリーブ抜きの時短と効率アップにつながります。
水濡れが気になる方は耐熱性のあるビニール袋に入れて煮沸し保持させれば良いでしょう。
まとめ
*スリーブ抜きは簡単ですが、温度管理が重要です。
また、スリーブのソケット(フェルール)が段付きの物が主流なので
カッターなどで切断除去や軽く加熱して取り付け位置を動かすという行為が難しいです。
この記事では変則技と紹介しましたが
ヘッド取り付けボルトでスリーブを引っ張る方法がスリーブを安全かつ簡単に抜くことができ
ソケットも比較的綺麗な形で取り除けました。
最後まで読んでいただき有難うございます。(^_^)/
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コメント一覧
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